ピッチャーや投げるスポーツの選手によくプログラムする肩のトレーニング。「Y・T・W・L・マエケン」トレーニングをやってみましょう。
*高校野球部ピッチャーMくん
肩のトレーニング
ピッチャーやキャッチャーには必ず、そして腕を使うスポーツ選手にも肩のトレーニングをやっています。
人のカラダで複雑ではないところはひとつもありません。
そのなかでも肩は複雑な場所ではないでしょうか。
友だちの理学療法士(PT)や柔道整復師はそろって「肩は難しい」と言います。
国家資格を持った彼らでも、そう言うのですから、私には理解することはむずかしいことです。
(勉強はしていますが)
トレーニングコーチの私は、彼らのように直接カラダを触り、リハビリやマッサージなどができません。
(もちろんドクターのように診断、治療も)
しかし、トレーニングコーチはケガをしていない人にトレーニングやケガの予防をすることができます。
「Y・T・W・L・マエケン」トレーニングがよくやるトレーニングなのです。
ピッチャーは肩をすばやく動かさなければいけません。
すばやい動作をするには速く動かす筋肉と、安定させる筋肉が必要です。
例えると「デコピン」
おでこに手のひらをあてて指をはじく罰ゲームのひとつです。
痛いデコピンをするには指のスピードが大切です。
はじく指が遅いと相手が痛くないからです。
そのスピードを出すには指を反対方向に引っ張る力も大切ですが、「パッチン」する以外の指を、額にしっかりあてていることが重要です。
「パッチン」する指以外の指と手のひらが「安定させる場所」になります。
投げるには、「すばやく動かすところ」と「安定させるところ」が必要なのです。
そして小さな筋肉の集まりである肩を、協調させて動かすのです。
これをトレーニングするのが「Y・T・W・L・マエケン」トレーニングです。
よく取り入れている肩のトレーニングを紹介します。
「Y・T・W・L・マエケン」トレーニング
スタート姿勢(基本)
立った姿勢から、股関節を曲げてカラダを45度くらいに倒します。
カラダを45度ぐらいに倒す理由が二つあります。
直立姿勢で「Y・T・W・L・マエケン」をやると、カラダをうしろに反らしてしまうことがあります。
肩周りが硬いと、背中や腰を反らして肩を動かしてしまうのです。
肩とちがうところが、肩の動きを助けてしまいます。
これを代償動作といいます。
背中や腰が肩の動きを代償してしまうのです。
トレーニングの目的は狙ったところをトレーニングすることです。
このトレーニングでは肩をしっかり動かしたいのです。
そのため代償動作は必要ありません。
またスポーツにおいて、直立した状態で肩を動かすことはあまりありません。
ピッチャーが直立姿勢で投げることがないように、です。
そのため、「股関節を曲げた状態で、いかに肩を動かすのか」が大切になります。
「代償しないこと」
「プレーに近い姿勢で」
これがカラダを倒してやる二つの理由です。
「Y」の字トレーニング
「Y」の字トレーニングです。
腕で「Y」の字をつくり、上下に動かします。
親指は真上、肩を「すくめない」ようにしましょう。
リズムよくダイナミックに動かします。
「T」の字トレーニング
肩の横のラインに手首がくるように手を伸ばします。
腕が「T」の字になります。
以前ブログで書いた「エアプレーン」の腕と同じです。
親指は上、腕を「T」の字にして上下に動かします。
・ウォーミングアップ「エアプレーン」の注意点。「肩甲骨をよせる」「親指は高評価ボタン」「かかとで壁をキック」
写真の彼は、少し肘が曲がっています。
理想は腕がまっすぐです。
気をつけたいのは腕の動かす方向。
背中に対して垂直に上下しましょう。
リズムよく、羽ばたくようなイメージで動かします。
(肘は曲げません)
「W」の字トレーニング
耳の横に手を伸ばした「Y」の字。
そこから肘を背中に向けて曲げていきます。
背中のうしろで肘を合わせるように腕を動かすのがコツです。
(肘がつくことはありません)
背中を真上から見ると「W」のようにみえます。
「Y」→「W」→「Y」
と繰り返します。
力を入れすぎて、首をすくめたたり、あごを出したりしないようにしましょう。
「L」の字トレーニング
「T」の字ポジションから肘を90度に曲げます。
曲げた肘はその位置から動かしません。
「L]の字から、肘から下の腕(前腕)を下におろしていきます。
イメージはバタフライの水をかくフォームです。
肘の位置をあまり変えないのがポイントです。
手の先をできるとこまで降ろせばだいじょうぶです。
ムリに下まで降ろさないようにしましょう。
(肩周りが硬いとあまり動きません)
「マエケン」体操
メジャーリーグ、ミネソタ・ツインズの前田健太さんが、ウォーミングアップでよくやる体操です。
とても有名な動作で、野球部の高校生はよく知っています。
肘を曲げ、手の平は顔の前。
肩の力を抜き、肘を前後左右に振る動作です。
(タコ踊りと表現されることも)
それぞれ、何回やればいいのかは決まっていませんが、私は各10回ほどやってもらっています。
真剣にやれば、とてもきついトレーニングです。
腕は背中から生えている
高校生や選手には「腕は背中から生えている」と言っています。
「腕は肩から伸びている」という表現が正しいのでしょうが私はこの表現を使いません。
よく「肩甲骨から生えている」という表現も聞きます。
同業の方はよく使っていますし、共通言語でもあります。
しかし、中学生や高校生には肩甲骨のイメージがないと思い「背中」と変えて言っています。
「背骨から生えている」でもいいでしょうけど。
腕が「肩から伸びている」というイメージだと腕を振るとき、カラダを大きく使うことができません。
肩周りに力を入れてしまいがちです。
しかし、実際は背中や胸などをダイナミックに動かして投げるのです。
「Y・T・W・L・マエケン」トレーニングのように肩だけではなく、背中を使う感覚で腕を動かしてほしいのです。
「Y・T・W・L・マエケン」トレーニング。
ウォーミングアップやトレーニング。クールダウンにも取り入れていただければと。
(一般の方の肩こり予防になります)
【編集後記】
始まりましたね、年に一度のAmazon Prime day。
欲しいモノがたくさんありますが、厳選しなくては。
最低限のモノだけ買う予定です……。かな。
【昨日のOnce a day】 一日一回新しいことを
・エッグスラットとカスピ海ヨーグルトのプレート
・モバイルSuica設定
・Dropboxに直接ダウンロード
・amazon music UNLIMITED登録(4か月無料)
・[検索]窓、表示しない設定