ウエイトトレーニングをするには道具が必要です。しかし、多くを望んでも仕方がありません。今ある道具でやっている工夫をまとめてみました。
*室内練習場にて
施設や道具のことを言っても仕方がない
十分に練習できない施設や、ない道具のことを言っても仕方がありません。あるもので工夫をしなくてはいけません。
トレーニングコーチの仕事をしていると、いろいろなトレーニング施設を見る機会があります。
友人が勤めている大学や、民間施設、個人の施設から、公共施設まで、機会があれば見に行きます。またセミナーなどで行った際には、セミナーなどとは関係がなくても、トレーニング施設があれば必ず見学させてもらっています。
大学の施設などは素晴らしく、いつも在学生をうらやましく思います。
また、私が所属している団体が管理している施設は、どこでも重いバーベルを落としてもいい構造になっていて、最高の環境なのです。
そんな施設ばかりを見ていると、自分の目も肥えてしまいます。
そんな施設や多くの道具、その環境があたりまえになってしまうのです。
すると自分のサポート先の施設や道具を見て、
「あれがあれば」
「これがあれば」
「あのような施設なら」
などと勝手に比較をしてしまう時があります。
そんなに整った施設ばかりではないのにも関わらず、です。
ないものねだりをしてしまう瞬間があるのです。
私も以前はそうでした。
しかし、今はあるもので何とかしようと思うようになりました。
理由は「ないものはないのですから、仕方がない」と割り切れるようになったからです。
道具が少なくても、いっせいサポートの工夫
道具の数が少なくても、数人をいっせいにサポートをしなければいけません。
私がしている工夫をまとめてみました。
今日サポートしたのは私学の高校です。サポートを始めて7年目になります。
昨年までは、私が勤めていた施設に冬の間、トレーニングに来ていました。
今年もその施設に行っているのですが、私の環境が変わり、
私が週一回、学校に行くことになりました。
3年前、学校の改装で、室内練習場ができました。道具はスクワットラックを2台。
シャフトも2本、プレートは20㎏から1キロまでそろえてくれたのです。
環境はとてもよくなりました。
しかし、30人以上の部員がウエイトトレーニングをするのですから、
必然的に道具は足りなくなります。
2班に分かれ、15人前後でトレーニングです。ラック2台なので足りません。
以前からある古い10㎏のシャフトや重りを集めてきて、室内練習場でやるしかありません。
やっている3つのことです。
一年かけて、先輩が後輩に教えられるようにする
監督とも共有しています。サポート時間と頻度が限られているため、一人ひとり、重い重量に挑戦させて、強化を図ることは難しい状態です。道具も多くありませんし。そのため時間はかかりますが、今の1年生が2年になるころにはウエイトトレーニングの基礎基本を覚え、新一年生に教えられるようすることを目標にしています。
2年生にも1年生にも、ことあるごとに言っています。
今は月3回のサポートですが、シーズンに入るとおそらく数は減ってきます。
(年間を通してとは言っていますが)
どうしても生徒だけでのウエイトトレーニングになってしまいます。
生徒たちがお互い見合って、アドバイスし合いながらトレーニングをするようにしたいのです。
(しなくてはいけないのです)
そのため、今はウエイトトレーニングの解説とフォームチェックがサポートの中心です。
もちろん2年生も含め、少しでも負荷がかかるように調整はしています。
長期的視野で見ています。
安全なフォームの反復練習
安全なフォームの反復練習です。正しいフォームと言いたかったのですが、それでは少し語弊(ごへい)があります。
目的に即したフォームです。
もちろん目的に即したフォームは安全がベースにあります。
重量をかけたいところですが、グッと我慢です。
(プレートが人数分はないのもありますが)
順番ではない時は、ウッドバーを使って
ウッドバーは人数分用意してもらってあります。
ウッドバーを使っていろいろなトレーニングをしています。
⇒ウッドバーは僕らの味方。ウッドバーを使ってトレーニング
ペアで取り組んでいるのですが、片方が重りを使っていれば、
もう片方の生徒はウッドバーを使って同じようにトレーニングをしています。
本来、セット間の休息は必要なのですが、そもそも重い負荷をかけていないので、
完全休息よりもフォームをカラダに覚えさせることを重視しています。
はじめは休憩時間に、ウッドバーをバットのように振っていたり、
シャドーピッチングのマネをしたりしていましたが、
今ではウッドバーを使ってペアの相手と同じことをやっています。
ウッドバーはトレーニングのイメージをするにはいいのです。
もしも、道具が一切ないとしても何とかする……。という気持ちで
もしも、「道具が全くないとしても何とかする」という気持ちでやっています。そう思えるようになりました。
例に出した高校は、室内でトレーニングをできるスペースもあります。
数は少ないと言っても、シャフトもありますし、重りもあります。
恵まれた環境と言ってもいいのかもしれません。
しかし、そんなところばかりではないのが現状です。
渡り廊下の日差しの下でやっているというのも聞きましたし、
グランドでやっているというのも見たことがあります。
トレーニングルームはあるのですが、マシンしかなく、
シャフトや重りがないところもあります。
全くないといったところもあります。
そんな学校でのサポートなら以前の私なら、きっと悩んだことでしょう。
しかし、今の私ならちょっとだけ余裕をもってできるかもしれません。
多少持ちネタが増えたというのもありますが、
「なんとかする」
という気持ちが強くなったのかもしれません。
工夫することは簡単ではありませんが、考えてみるのもおもしろいものです。
道具があり、施設があり、環境が整った学校やチームは有利なことは間違いありません。
しかし必ず強いとは限りません。必ず勝つとも。
今ある道具を使う、道具がなければ何とかする。
そんな心構えがあればきっと何とかなるのではないでしょうか。
いや、なんとかしなくてはいけません。
期待して依頼されたのですから。
【編集後記】
年末にやれなかった掃除を午前中に少し。
モノが多く、整理整頓ができません。
整理(モノを捨てること)をもっとしなくてはいけませんね。
少しずつやっていきます。
【昨日のOnce a day】一日一回新しいことを
・レンコン餃子
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