春の高校野球県大会始まる。冬のトレーニングの成果はでるのか

今日から石川県でも、春の高校野球県大会が始まりました。野球場
グラウンド整備 金沢市民球場にて

監督からの要望

高校野球チームの、冬のトレーニングを指導するようになり6年になります。
前の勤務先だった病院に、新しく体育館が併設されたのがきっかけです。

当時の保護者会代表が、副院長と同級生だった縁もあり、
冬の間の体育館利用が始まりました。
同時に週2~4日のトレーニング指導も始まりました。

その間、創部10年で初の県大会ベスト4や、
強豪といわれる学校を破ってのベスト8など順調でした。
しかし、昨年は、公式戦一試合も勝つことができませんでした。

選手たちも私たちも、悔しい思いをしました。
本当に残念でした。

今年の冬は、公式戦一勝を目指して、スタートしました。

来期に向けて監督は

・股関節がうまく使えない。もう少し柔軟性を出してほしい
・パワー不足、パワーをつけて欲しい

と、いったものでした。

股関節は身体を支えながら、曲げたり、伸ばしたり、ひねるなど、
足を自由に動かすことのできる関節です。
そのおかげで、立つ、走る、ジャンプする、ける、などができます。

監督は、技術指導をしていても、
股関節周辺が固く、うまくできない生徒が多いと感じていたようです。

そしてパワー不足。ウエイトトレーニングは
各自やっているようですが、パワーが感じられないことを
気にしていました。

股関節の柔軟性を測るテストや、
垂直方向への爆発力を、簡単に測る垂直跳びなどを測定しても
あまり数字はよくありませんでした。
(3年前のチームと比較してですが)

そこで、監督と、アシスタントをしてくれている私の部下と
相談して3つのトレーニングを取り入れることにしました。

取り入れた3つのこと

これまでやってきたトレーニングに加え、
新たに3つのトレーニングを取り入れました。

取り入れた内容は
(今回、詳しい解説や、指導方法、導入の仕方、注意点、などは書いてありません)

股関節の柔軟性向上トレーニング

四つん這いになり、足の付け根(股関節)を曲げたり、伸ばしたり、回したり、
いろんな方向に動かします。

立ってやらないのは、無理に動かそうとすると、姿勢が崩れるからです。
姿勢を崩しておこなえば、不思議なことに股関節はよく動きます。
しかし、それは、正しい姿勢を崩したことによって、
できるようになった動作なのです。(代償と言ったりします)
まずは四つん這いから始めます。
正しい姿勢を保った状態で股関節を動かします。

そのほか、膝が床についた状態から股関節を伸ばすこと
(膝立ちになる)などを反復しておこないました。

ジャンプトレーニング

スクワット姿勢をしっかりと練習します。
力発揮のしやすいポジションだからです。

着地の練習も徹底しておこないました。ケガの予防にもなるからです。
スクワット姿勢からのジャンプ、反動を使ったジャンプ。
連続ジャンプ。片足ジャンプなど

合計100ジャンプ以内で(障害予防のため)。
質のよいジャンプをするようにしました。

肩のケガ予防トレーニング

特に監督からは言われませんでしたが、
肩のケガ予防トレーニングを取り入れました。

これは生徒たちが練習の前と後にやる
準備運動のようなもので、一連の流れを覚えてもらい
いつでもできるようにしました。

名づけて

・バー21
・グランド11
・パワー11

腕を伸ばしたり、曲げたり、回したり、ひねったり
肩を中心に腕をいろいろな方向に動かします。

・「バー21」は
140センチほどの棒をホームセンターで買ってきます。
その棒を使って21種目の肩のトレーニングをします。
21種目は多いように感じますが、左右で2カウントとします。
キリがいいので21としました。

・「グランド11」は
床に寝て行う肩のトレーニングです。バーがないときや、
グランドが濡れていない時、
自宅でもできるようにと、考えました。
うつぶせになり、腕でY・W・T・Aなどをつくり
キープする種目もあります。

・「パワー11」は
グランドが濡れている時や、練習・試合前に、手軽にできるように
「グランド11」を少し変えて、つくりました。
「グランド11」のスクワット姿勢バージョンといった
ところでしょうか。
競技に近い形での肩のトレーニングになります。

導入のきっかけは、生徒が申告した既往歴を見ると
肩・肘のケガが多かったためです。
いつでもできる、肩のトレーニングを覚えて
もらおう、というのが目的でした。
今では各自やっています。

これからの課題

約3か月弱の冬のトレーニング。部員数が多いため、
週4回の指導といっても、生徒にとっては実質2回。
私たちの施設に毎回来ることができないのです。
(残りの生徒は学校で練習です)

上に書いた3つのトレーニングは、あくまでもトレーニングの一部で、
しんどいトレーニングもたくさんしました。

課題も多かったのですが、股関節の柔軟性、垂直跳びの高さは、
チームの平均として向上しました。
変わらない生徒は一部いましたが、ほとんど向上しました。

すべてが、トレーニングの成果とは思いませんが、
12月よりも変化していることは事実です。
垂直跳びは、ジャンプテクニックの向上によるものも
大きいでしょうが、それはマイナスではありません。

何より、生徒自身が成果を実感しているようでした。
後日、監督から見せてもらった「日々の感想ノート」
にも、たくさん書いてありました。

実感してもらえたのが何よりです。うれしいかぎりです。

いくら股関節の柔軟性が向上しようが、ジャンプ力(下半身のパワーにしておきます)が向上しようが、野球のプレーがうまくなるわけではありません。
残念ながら。

しかし、獲得した柔軟性やパワーを野球に生かせられる可能性が
高まったと言えるのではないでしょうか。

指導先の学校に限らず、この冬、みんな必死で練習をしていたと思います。
その中でも、頭一つ抜け出すには「何か」が必要だと
多くの指導者は思っているでしょう。

「何か」の1つは正しいトレーニングをすること
だとわたしは考えます。
何を持って、正しいというのか、という新たな疑問も出てきますが
間違いを犯さない(ケガをさせない)
という最低限のことが満たされるトレーニングが
正しいトレーニングなのでは、ないでしょうか。

今から試合を見てきます。

まずは公式戦1勝を。整列

 

 

おしらせ 2  
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