4年前から、月に1回だけトレーニング指導している社会人チームがあります。木島病院アスレティック棟 にて
月に1回の指導で効果はあるのか
よく、トレーニング業界以外の友だちに
「月1回だけのトレーニング指導で効果あるの?」とか
「月1で強くなれるの?」
と、聞かれます。私は
「さすがに、体力や筋力はつかないよ。」
と答えます。
すると、すかさず
「じゃあ、何のためにやっているの?」
と、聞かれるのです。
素朴な疑問なんでしょう。
私は月に1回のトレーニング指導では効果は出ないと
考えています。月に1回、筋トレをしたからといって、
次に日に筋肉がつくわけではありません。
スピード&アジリティの練習をしても
すぐにスピードや敏捷性が向上するわけではないでしょう。
カリスマ・トレーニングコーチや、トレーナーなら
すぐに効果を出すかもしれませんが。
私には無理です。
じゃあなんでやってるの?
仕事が欲しいから?
いや、そんなことではありません。
月に1回だけど指導している理由
なぜ、月1回のトレーニング指導の依頼を受けているのか。
正しいトレーニング方法を覚えて欲しいから
その社会人チームは、週2回の練習をしています。
ホームコートがあるわけでもなく、大学や中学の体育館を借りてやっています。
もちろんウエイトルームもありません。
それぞれ仕事を持っているので、
全員が揃って、決まった時間に、練習に参加できるわけもなく、
少ない人数の時もあるわけです。
中にはぶっつけ本番で試合に臨む人もいるくらいですから。
そんな中での月1回、それも1時間。
トレーニング指導のための時間は貴重です。
そんな貴重な時間のなかで
彼らに、安全で効果的なトレーニングを
覚えて欲しいのです。
月1回ですから、覚えて、確実にできるようになるまでは
時間がかかります。
しかし、学生の時にやっていたトレーニングを
あまり考えることなく、自己流でやるよりはいいでしょう。
そして中には、教員で、部活の指導をしている選手も
数名もいます。
間接的ですが、生徒たちにも、正しいトレーニング方法が伝われば
そんなにいいことはないでしょう。
トレーニングが大切だと伝えることができるから
週2日、約2時間の練習だけで、リーグ戦を戦わなくてはいけません。
全部の時間を競技の練習にあてたいでしょう。
でも、コーチはトレーニングの時間を取ってくれています。
ありがたいことです。
私は毎回、
「トレーニングはケガ予防なんですよ。」
「ケガをすると貴重な選手時間が減りますよ。」
「ケガすると仕事にも差し支えるでしょう。」
と、言っています。もちろん
「体力、筋力向上したら選手生活伸びるよ」とも。
言葉で伝えてもだめだ、という人もいるでしょうが
私は言葉で伝えています。しつこいぐらいに。
言葉に出さなければ伝わらないと思うからです。
「大崎にお願いしたい」と言われたから
正直、これが1番かもしれません。
5年前、石川県に科学トレーニング特別強化事業ができました。
これは、国体で上位入賞を狙えるチームや選手に
アスレティックトレーナーなどを派遣できる事業です。
それに、私も選ばれ、今のチームを担当することになったのです。
(時間と期間の制約はありますが)
残念ながら、チームは、1年で強化指定を外されます。
私は、次の年から、違う競技を担当することになるのです。
しかし、強化指定を外された後、ヘッドコーチから連絡があり
「ぜひ、これからも大崎にお願いしたい」と言われたのです。
強化事業の指導を評価してくれたそうです。
チームには、何人かのトレーナーがいました。治療家ですが。
トレーナーがいるにも拘わらず、トレーニングコーチの私に
声をかけてくれたのが、うれしかったのです。
・正しいトレーニング方法を覚えて欲しい
・トレーニングが大切だと伝えたい
その理由もあったので、もちろんやると即答しました。
今とこれから
今年も月1回の予定です。
私に指導して欲しいと言われる限りは
続けたいと思っています。
2016年、クラブは全日本クラブ選手権で日本一になりました。
そして去年からは東海・北信越リーグに参戦しています。
遠征も多くなり、スケジュール調整もたいへんになりました。
トレーニングの必要性がもっと出てきたのではないでしょうか。
各自、練習日以外の自主トレーニングもしなければいけません。
選手には
月1回だけのトレーニング指導ですが、継続していきましょう。
しっかりトレーニングを覚えて、個人練習にいかしていきましょう。
と、言い続けます。
おまけ
昨日、高校野球を見に行って来ました。
1点差で勝利しました。
1勝まで長い道のりでした。