重量挙げを学ぶのは、オリンピックリフティングを指導するため

オリンピックリフティングを指導できるトレーニングコーチでいたいと思っています。リングシューズ
アシックスのリフティングシューズ  カスタムオーダー

重量挙げとオリンピックリフティング

私は月4回、多いときは8回ほど金沢学院大学ウエイトリフティング部でトレーニングをしています。指導ではなくて、いち部員として部活動に出ているのです。入部して4年ほどになります。

私の子どものような年齢の学生と、一緒にやるのは本当に苦しく、まして週に1~2回ですから、ついていくのがやっとです。

いち部員ですから同じメニューをこなします。年齢は2倍以上ですが、扱う重量は半分もしくは3分の1ほどです。
3時間以上の練習はいつもフラフラです。

なぜ、おっさんがこんな思いまでして、
ウエイトリフティング部に参加しているのか。

それは、指導するスポーツ選手たちにオリンピックリフティングを
指導したいからです。

「オリンピックリフティング」を指導したいのに
「ウエイトリフティング」?
名前も似ているし、よくわかんないですよね。

違いがよくわからない指導者や選手もいると思うので簡単に説明します。

リフテイング
金沢学院大学にて 市民体育大会

ウエイトリフティング(重量挙げ)

ウエイトリフティングとは夏のオリンピック種目です。
重量挙げといったほうがわかりやすいかもしれません。
筋肉ムキムキな人が重そうなバーベルを頭の上に持ち上げる競技です。

スナッチという種目とクリーン&ジャークという2種目があり、持ち上げた重さを競う競技です。

スナッチとは

床にあるバーベルを両手で引き上げ、頭上にバーベルを一気に差し挙げる種目

クリーン&ジャークとは

床にあるバーベルを両手で一気に引き上げ、鎖骨と肩の上に載せて立ち上がる
(クリーン動作)
その後、両足の曲げ伸ばしを利用し、両腕が伸びきるまで頭上に差し上げる
(ジャーク動作)種目です。

スナッチとクリーン&ジャークの2種目。
その最大挙上重量の合計を体重別に競うのです。

オリンピックリフティング

重量挙げ競技の2種目を含め、

・膝の高さから持ち上げる、スナッチやクリーン
・浅いスクワット姿勢でキャッチするパワースナッチやクリーン
・両手で引き上げるだけのハイプル
・床でからではなく、両サイドに置かれた木箱から引き上げるボックススナッチ

など、重量挙げ競技から派生した種目があります。
簡単に言うと、重量挙げの練習種目を総称して、
オリンピックリフティングと呼びます。

(オリンピック競技ですから、重量挙げのことを、オリンピックリフティングと呼ぶときもあります。ややこしくなるので、ここでは分けて使います。)

違いが分かったでしょうか。

ウエイトリフティング(重量挙げ)の練習をすれば、
オリンピックリフティングの練習になるのです。

では、なぜ私がオリンピックリフティングを学びたいのか。
オリンピックリフティングはスポーツ選手のトレーニングには欠かせないものだからです。

その重要性がわかっている、スポーツ選手やスポーツ指導者は増えています。
練習にぜひ導入したい、という希望も高まっています。

しかし、問題は提供するこちら側の人間。
トレーニング指導をする人のことです。
名前はトレーニングコーチでも、S&Cコーチでも、トレーナーでも、パーソナルトレーナでもいいのですが、

オリンピックリフティングを正しく指導する人が少ない
なんちゃってリフティングの指導しかできない人が多い

のが実情です。本当に残念です。

「ケガをさせるトレーニングかよ」
と思うような指導をしているのを何度も目にしました。
選手がかわいそうです。

だから、ちゃんとオリンピッリフティングを指導できるように
なりたいと思い学ぶことを決心したのです。

オリンピックリフティングをする効果

では、オリンピックリフティングから得られるメリットを。

高いパワー発揮が得られる

重い重量を挙上するには高いパワーが必要です。
パワーとは力×速度。

オリンピックリフティングは大きな力を発揮しながら、
速いスピードで動作を行うので
パワーを発揮するトレーニングになります。例えば

・ジャンプ
・スローイング
・スタートダッシュの一歩目

など、
力だけではなくスピードを伴った動作に有効です。

身体のコーディネーション能力の向上

協調性能力の向上と言ってもいいかもしれません。

短時間に重い重量を持ち上げる、瞬間的なパワー発揮。

足首、膝、股関節をタイミングよく、いっきに伸ばす動作。
ボディコントロール能力です。

バーベルを落とさずキャッチする、
バランス能力なども鍛えられるでしょう。

柔軟性の向上

オリンピックリフティング種目のほとんどが全身運動です。
重い重量をキャッチするため、深くしゃがみこんだり、
全身で伸び上がったりします。

鎖骨と肩の上に、高重量のバーを載せるには、曲げた肘をしっかりと前方にあげなければいけません。手首と背中の筋肉(広背筋)の柔軟性が向上します。

バーを頭上に持ち上げたときは、肘を伸ばして、バンザイのように腕全体を伸ばします。肩回りの柔軟性が向上します。

私は6年前にスノーボードで左足首の大けがをしました。
左足首の曲がり具合が悪かったのですが、
オリンピックリフティングをするようになり、
ほとんど左右差がなくなりました。
広背筋も硬くてバーを鎖骨と肩の上に載せづらかったのですが
今は軽くできるようになりました。

スポーツパフォーマンスに向上に役立つ

重い重量を、速いスピードで扱う能力が向上するため、
自分の身体(重い重量として)を速いスピードで扱えるようになります。

例えばジャンプやスタートダッシュなど

ベンチプレスやスクワットと違い、バーベルを上げる動作において、止めること(減速)がないのです。
例えば、ベンチプレスだと手の長さまでしか上げることができません。
一番上の高さで止めなければいけません。
力を出し続けることができないのです。

その点、オリンピックリフティングは手が離れない
可能な高さまで、力を出し続けることができるのです。

このような動作や、力の出し方はスポーツに
類似しているのではないでしょうか。

オリンピックリフティングを指導する

こんなに効果があるオリンピックリフティング。
運動選手のトレーニングに導入しない手はありません。

私は、オリンピックリフティングを

・正しく指導できる
・自信を持って指導をできる
・上手にデモンストレーションできる

そんなトレーニングコーチになりたくて、
金沢学院大学ウエイトリフティング部で重量挙げを学んでいます。

以前は、京都や尼崎に出向き、パーソナルトレーニングを受けました。
また東京、大阪、尼崎、京都などで研修を受けていました。
(研修は今でも受けています)

そんな私に、とてもお世話になっている関東の大学の教授が
「金沢には学院大あるだろ」
と、言われ…。

「一番近いところに名門の大学があった」と。

今に至ります。
(その経緯は今後のブログのネタにします。)

 

金沢学院大学ウエイトリフティング部で学んで本当によかったです。
よかった点は、

トレーニングの種目が増えた

ウエイトリフティング部で練習するようになり、スナッチやクリーン&ジャークの練習はもちろん、それから派生するたくさんのトレーニング種目をしました。実際に私がやっているのですから、教科書でみただけの、ものとは違います。
知らなかったトレーニング種目もたくさんありました。

トレーニングのバリエーションが増えた

トレーニング種目が増えたと同時にバリエーションが増えました。
種目を覚えただけではいけません。

・この選手にはこのような順番で。
・この選手にはこの種目を少し変えて…

なんのために、この種目をするのかが大事です。

現役アスリートの一人になった

3年前より試合に出ています。
市民体育大会と県民体育大会の年2回。
記録はいまいちですが、私の年齢ではたいしたもんだと自画自賛しています。
本気モードで戦っていますから。

指導する選手に対して自信を持って指導できているのではないかと。
(そのように、思いたいのでやっていることもありますが)

だって私もアスリートですから。年はいっていますが。

年下から学ぶ抵抗感がなくなった

日本体育大学出身。バリバリの上下関係を生き抜いてきました。
社会人になったのと、この業界に入ったことによって、
ほとんどその感覚はなくなりました。
しかし、どこか後輩に対して素直に学べない自分がいました。

でも、
私より2、3倍の重量を挙げる学生にそんなこと
思っていられません。素直に学ぶだけです。

みんな、いい子ばかりでかわいくて仕方がありません。
卒業生を送る会など毎回、涙ものです。

自信を持ってデモンストレーションできるようになった

気持ちです。
本当は、まだまだ実力不足で、ダメダメです。
でも、それはめちゃくちゃうまいホンマもんの人から比べるとです。

と、思うようにしています。
私はウエイトリフティングの選手に技術を教えているのではありません。

スポーツ選手に体力、筋力、パワーの向上のために手段として
オリンピックリフティングを教えているのですから。

 

本当にウエイトリフティングやオリンピックリフティングで
得られることは大きいです。

しかし技術がいることも確かです。
オリンピックリフティングの技術を習得するまで
時間がかかるかもしれません。

しかしその手間を考えても
選手が受ける恩恵は大きいと思っています。
一度、習得してしまえば、トレーニングの可能性が
大きく広がるのですから。

 

選手のみなさん、指導者のみなさん。
オリンピックリフティングをぜひトレーニングに取り入れましょう。

ちゃんとしたトレーニングコーチに指導を受けるといった
条件がつきますが。

私も精進して、金沢で正しくオリンピックリフティングの指導ができるトレーニングコーチでいなければと思います。


2018.6 市民体育大会にて

おまけ

4月に入って、まだ部活に参加できていません。
近いうちに行こうかと。
またヘロヘロになるんでしょうね。。。

おしらせ 2  
タイトルとURLをコピーしました