若手の指導者の方は、心配ないと思いますが、40歳前後の指導者の方はそろそろロコモティブシンドロームに気をつけましょう。
「ロコモティブシンドローム」って
若い選手と接していると、自分も若いと思ってしまうものです。
私も例にもれず、まだまだと思っているものの、実年齢は待ってくれません。
悔しいですが。「そろそろ…」と言われるかもしれません。
若手の指導者がどんどん出てきているとはいえ、私たちも負けてはいられませんし。
そんな少し年齢を重ねた指導者の方と一緒にロコモティブシンドロームについて考えてみましょう。若い指導者の方はご両親のことに
置き換えてみていただければ。
医者の不養生という言葉はよく聞きます。その名のとおり養生(健康につとめる、節制する)を勧めるべき医者が、自分の健康に気をつけないことです。
私たちだけかもしれませんが「不健康ラクター」とも言っていました。
パワフルな象徴「スポーツクラブのインストラクター」が業務とレッスンに疲弊した様子を表した言葉でした。
スポーツを指導している方も、忙しさのため、自分の健康指導はできていない方も多いのでは、ないのでしょうか。
若い間は大丈夫なのですが、最近少し、自分の体力のことが気になりだした方は、ロコモティブシンドロームに気をつけましょう。
「ロコモティブシンドローム」とは運動器の障害により要介護になる状態のことを言います。(日本臨床整形外科学会)
ちょっとわかりにくいので、解説します。
誤解を恐れずいうと
「足腰肩などが加齢や運動不足によって痛くなってしまい歩けなくなり、日常生活に不都合がでてくると、いずれ介護されますよ」
といったことです。「運動器」と言われてもわかりにくいのですが、「整形外科で受診するケガや病気の数々」のことです。
関節や、靭帯、筋肉、骨などの病気やケガです。
「循環器」や「呼吸器内科」などはイメージしやすいですよね。
それの整形外科バージョンです。
そのロコモティブシンドロームは予備軍をいれて4700万人と言われています。40歳以上では大半の人が予備軍です。9人中8人がそうだと聞きました。(情報源は調査中)
40歳以上の指導者の方は気をつけなければいけないのです。
ではロコモティブシンドロームのチェックをしてみましょう。
7つの「ロコチェック」
ロコモチャレンジ推進協議会が出している「ロコチェック」
7つのうちひとつでも当てはまれば、ロコモの可能性ありです。
1.片脚立ちで靴下がはけない。
動的なバランス能力と下肢の筋力が試されます。
無理をしないでチャレンジしてみてください。ここで大半の方がアウトでしょう。片脚で体重を支える筋力と、動きながらバランスをとる能力が衰えてくるとフラフラします。
私もこれが一番の強敵です。風呂上り、足裏を支えなしで拭くことでトレーニングをしています。
チャレンジして転倒、手首を骨折するという方も過去にいましたので、無理にやらないでください。テストでケガをすれば洒落になりません。
2.家のなかでつまずいたり滑ったりする
年齢がいくとよくつまずきます。家のなかでつまずくのですから、外では危険度アップです。一度転んだ人が一年以内に再び転ぶのは、転んだこととのない人に比べ6倍以上だそうです。
転倒→骨折のパターンが最悪です。
これも腸腰筋などが衰え、足が思ったほど上がらないために起こります。若い人は転んでも、うまいボディーコントロールでリカバリーをしますが、ロコモの人は豪快に転んでしまいます。
3.階段を上がるのに手すりが必要である
そもそも階段を上るのが、腰や膝が痛ければできないでしょう。自然と手すりに手がいくことでしょう。
片脚をダイナミックに上げる筋力がなければ階段は上がれませんし、循環器系に問題があれば、ある程度のスピードでは階段を上がれません。
4.横断歩道を青信号で渡りきれない
これは大丈夫な方も多いでしょうが、チェック項目の一つです。
横断歩道の距離1メートルに対して1秒が青信号の時間です。
1メートル歩くのに1秒以上かかるのは少し遅いかもしれません。
歩行に支障をきたしているという判断になります。
ちなみに障害者用のボタンを押すと1.3~1.5倍に時間が延長されます。
5.15分くらい続けて歩けない
15分くらい連続して歩けなければ、脊柱管狭窄症の疑いがあります。
脊柱管狭窄症とは脊髄の神経が通るトンネルが、変形などで狭くなり神経を圧迫して痛みのでる症状です。長く(15分ほど)歩行できないのが特徴で、休めばまた歩けます。日ごろの腰痛症状は軽いと言われています。
6.2㎏程度の買い物をして持ち帰るのが困難である
7.家のやや重い仕事が困難である
6は1リットルの牛乳パック2個程度を想定しています。
7は掃除機の使用、布団の上げ下ろしなどを例にしています。
両方とも、これまでできていたことが、最近できなくなってきた、というサインです。今までは簡単にできていたことが、腰痛だったり、ひざ痛、肩痛だったりで、できなくなります。そんな方は
すでにロコモか、ロコモ予備軍かもしれません。
以上7つのチェックを解説しました。
みなさんはいかがだったでしょうか。
予防には筋トレ、バランストレーニングを
7つの「ロコチェック」。ひとつでも当てはまればロコモの心配アリです。
予防には、筋トレやバランストレーニングなど、積極的に運動をすることが大切です。
パンフレットなどには
・片脚バランス 左右1分間 1日3回
・スクワット 5~6回 1日3回
と書いてあります。
詳しくは日本整形医学会公式ページをご覧ください。
高齢者や関節等がすでに痛い方は、まず、これからはじめればいいのですが、
まだバリバリに選手を指導している方は、これでは物足りないように思えます。
ランニングする、ウォーキングをする、選手がくる前に少しトレーニングをするなどをしましょう。
選手に日ごろ言っていますよね。
「自主練習しなさい!」と。
これからも、さらに長く選手を指導していけるように、自らも運動していきましょう。
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今回は、指導者の方に向けて書いてみました。
若手指導者は自分の両親に置き換えてみてもいいかもしれません。
これは私自身に向けても書いているのですが。
残念ですが、昔のようにキレのあるデモンストレーションができないかもしれません。実技を見せてもフラフラしてしまうこともあるでしょう。仕方がありませんよね。
しかし、仮に上手くできない姿を見せてしまっても、日ごろトレーニングをしている指導者の姿を見てくれれば、選手たちは何も思わないはずです。
自らの健康のため、選手のためにも、一緒にトレーニングしていきましょう。
【編集後記】
今朝、雨の合間を縫ってウォーキング。
今まで何もなかった西金沢駅周辺の土地の工事が
とうとう始まりました。
大型マンションと、都市型コンサートホールができる予定です。
ウォーキングコースですので進捗状況が分かるので楽しみです。
しかし、近隣住民としては周辺の混雑が心配です。渋滞とか。
自分勝手なもんです。
【昨日のOnce a day】一日一回新しいことを
・岩本屋 しじみラーメン
・ミスド 抹茶ドーナツ(堂島ロール売り切れでした)