選手へのトレーニングでは、ショルダープレスをよく取り入れています。立って行えば肩回りだけではなく、からだ全体を使ったトレーニングになるからです。
フロントショルダープレス モデル MIHO.E
ショルダープレスのねらいと準備
ショルダープレス(フロント)は肩回りと、体幹部を鍛えることが狙いです。
フロントショルダープレスとは写真にあるように、鎖骨と肩の前方に乗せたバーを上半身の力を使って、頭上に上げるトレーニングです。
膝の反動を使うと、違った種目になりますし、腰の反りを利用するとケガにつながります。
おなかと腰に力を入れてバーをまっすぐに上げるのが効果的なフォームです。
私が考える、フロントショルダープレスの効果をまとめます。
もちろん、適切な重量やフォームで行なってのことです。
・三角筋の前、中部が鍛えられる
・上腕三頭筋(二の腕)が鍛えられる
・体幹部(おなかと腰付近)が鍛えられる
・バーを頭上に上げるのでバランス感覚が向上する
・床を力強く踏みしめることができる(無意識で)
・肩回りの柔軟性が向上する
・スタート位置では手首と広背筋の柔軟性が向上する
・頭の後ろから上げるよりも肩の前方へのストレスが少ない
などたくさんあります。そして
・今後、スナッチやクリーン&ジャークにつなげるための準備
ということになります。
フォームと注意点
フロントショルダープレスのフォームと注意点についてまとめてみました。
4つのフォームの注意点と安全上の留意点です。
1、開始姿勢
・バーをスクワットラックの胸に高さに置く。もしくはクリーンで持ち上げる
・グリップの幅は肩幅程度、親指を離さないで、しっかりバーを握る
・足幅は、肩幅程度、足裏を床にピッタリつける
・バーにカラダを密着させ、肩甲骨、肩の前方に乗せてスタートします
2、挙上動作
・準備ができたら、バーを上方へ押し上げる動作を開始
・腰を反らさない。足やお尻を元の位置から動かさない
・手首を動かさない。前腕は床面と垂直。バーを左右平行に保つ
・バーを押し上げる時、肘を最後まで伸ばすが、無理にロックしない
・バーが頭上にあるとき、バーと、手首、肘、肩が一直線直線上にあるのがベスト
・あごを上げ過ぎない
・おなか背中を固める(固定する)
無理な重量を上げようとすると、腰が反ってしまうことがあり、腰痛の原因になります。
また、もだえるように上げるとバーのバランスが変わり、その結果、肘に負担がかかり、肘の内側を痛めてしまうことがあります。
私は、左肘内側をこれで痛めてしまい、痛みが引くまで、すごく時間がかかりました。重すぎる重量は危険です。
3、降ろす動作
コントロールして降ろすのが動作のポイントです。危険の回避にもなります。
・バーを胸に向けてゆっくり降ろす
・肘はカラダよりやや離して、肩より低い位置まで下げる
・手首は固定して動かさないようにする
・バーを胸の上で弾ませない。ゆっくり降ろす
・頭、肩、お尻は常に直立姿勢
・降ろす動作の時もおなか、背中を固める
コントロールしながら安全に、鎖骨と肩の前部の位置にバーを下すことが大切で、位置がずれるとバランスを崩してしまいます。
4、呼吸
呼吸のタイミングも重要です。
・動作の開始直前に息を吸う
・バーが上がりはじめ、一番重く感じる位置(スティッキングポイント)を超える時に息を吐く
おなかと背中に空気をしっかり入れ、丸い筒のような膨らませることで、おなかと腰が固まります。
バーベル・オーバーヘッドプレス,NSCAジャーナル,Vol18 8,46, 201
安全上の留意点
頭上に、重量のあるものを、持ち上げるために、危険が伴います。
狭いところや、近くに、物がある、人がいるようなスペースは、練習に適しません。環境の整備が必要です。
・バーの重心(重り)が人の重心上にあるようにする。バランスに注意する。
・ビハインドネックショルダープレスは、わずかな重心のずれで、バランスが崩れ、肩の前下方への亜脱臼、脱臼の可能性が起こる
肩の前方下の亜脱臼クセのある選手は、徐々にフロントスクワットを実施して、肩の不安を解消します。
ある程度の重さを、頭上に持ち上げるのですから、リスクはあります。
・重量に
・フォームに
・降ろすときに
・周囲に
気をつけなければいけません。
今後の進め方
基本ができるようになったら、少しずつ進め、発展していきます。
・ビハインドネックショルダープレスにも挑戦
肩の不安がなければ、ビハインドにも挑戦していきましょう。
スナッチやオーバーヘッドスクワットにも有効です。
・ダンベルで
一本のバーよりも左右差が顕著に現れます。バランスのいいトレーニングになります。左右差を見る指標になります。
バーのない施設でもできるトレーニングです。
・プッシュプレスに発展させる
頭上でバーをバランスよく、保つ感覚が身に付いたあとでおこないます。
足首、膝、股関節の反動を利用すれば、全身運動になり
スポーツ競技に近い動作になります。
・スプリットジャークに挑戦
プッシュプレスができるようになったら、スプリット(足が前後)ジャークに進む準備の完了です。
上半身のトレーニングが少しずつ、ダイナミックな、全身運動に発展していきます。
フロントショルダープレスを習得すれば、たくさんの発展トレーニングに挑戦できます。
シンプルなトレーニングですが、日ごろのトレーニングに、取り入れていただければと思います。
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ジャークが苦手な私は、フロントスクワットとフロントショルダープレスの練習が必須です。
フロントショルダープレスのことを「ショルダープレス」とか
「ミリタリープレス」と言います。
「ミリタリープレス」とは軍隊が罰ゲームとして、機関銃などが入った木箱を上げ下げさせたのが、その由来だと聞きました。
本当かどうかは知りません。。
【編集後記】
暑い日が続きます。水分補給ばかりしています。
夏になったような気がしますが、もうすぐ梅雨なんですね。
梅雨よりも暑いほうがいいです。
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