10分1980円は高いのか。ストーリーを知れば安いもの

10分間の作業が1980円。時給で考えれば決して安くはありません。しかしストーリーを知っていればとても安いものです。IMG_3721*あるお店の広告(写真は記事と関係ありません)

カリカチュア・ジャパン

「カリカチュア」という言葉をご存知でしょうか。

「カリカチュア」とは人の似顔絵などをそのまま描くのではなく、誇張して描く人物画のことを言います。よく結婚式の時に飾られる、新郎新婦の似顔絵イラストです。式のウエルカムボードにも使われているので一度は見たことがあると思います。

私は雑誌などに載っている、芸能人の極端に誇張されたイラストが好きでした。また街角で手相を見ている人から少し離れたところに座り、似顔絵かきを商売にしている人の様子をいつも見ていました。道端に広げられた作品を遠目で見るのが好きだったのです。(金沢にはいません)

遠目で見ていたのは、声をかけられるのがイヤだったからで、自分を描いてもらうことは想像もしませんでした。

しかし、ある本を読んで、「カリカチュア」という言葉を知り、もっと興味を持ったのです。
タイトルは

好きなことだけで食べていく 著者 kage (あさ出版)

著者は格闘家を目指し渡米するのですが、途中諦めます。その時に出会ったのが「カリカチュア」です。それ以来、カリカチュアに没頭し、帰国後は何度も世界チャンピオンに。「カリカチュア・ジャパン株式会社」を設立。アーティスト兼経営者になった経緯が書かれています。

その本はもう手元には無いので、正確ではないのですが、著者であるKaga氏のストーリーが詳しく書いてありました。とても面白く、一気に読み終えたことを覚えています。

本人はもちろん、アーティストスタッフも優秀です。数多くのオーデションやコンテスト、研修を受けてやっとスタッフの一員になれるのです。
畑が違う私にも心に刺さるモノがありました。

一度、カリカチュアを描いて欲しいと思ったのです。

カリカチュア体験

特にイラストが欲しいわけでもなく、必要でもなかったのですが本を読んで一度カリカチュア体験をしてみたかったのです。

京都で研修がある前日、少し時間がありました。いつも寄るのは新京極です。四条通をフラフラ、新京極をぶらぶらするのが好きです。

新京極商店街には「カリカチュア・ジャパン」新京極店があります。
以前から店の存在は知っていましたが、まだ本を読んでいないときは素通りをしていました。しかし本を読んだ後は興味津々です。
これまで何回も決心してお店に入るのですが、いつも人がいっぱいでした。待っている時間がなく、いつも諦めていたのです。

その日はちょうど開店直後でした。ラッキーなことに誰もお客はいません。
今一度気合を入れ店内へ。
システムの説明を聞いたあと、私はクイック(カラー)をお願いしました。作風はどうするか。ソフトか、誇張かを聞かれお任せを選びました。(誇張は勇気がありませんでした。次回は挑戦です)

さっそく開始です。
少し離れたところから描いてくれるので作品は見えません。
筆のはしりは見えるので飽きませんでした。

私を描いてくれた方は、描きながら、私の顔の特徴を言ってくれます。

・少し日に焼けていること
・眉毛が長いこと
・まつげが長いこと
・黒目が大きいこと
・なで肩なこと

少し恥ずかしかったのですが、しっかり聞きました。
あまり聞いたことがないので。

そして色を入れて約10分後に完成しました。
思いのほかノーマルでした。
このように他人は見えているのかと思い笑ってしまいました。

描いてくれた人は、携帯で時間を計測します。
これはスタッフが決まった時間で描き上げるために、
日ごろから訓練しているのです。
このことを知っていたので、それもまた感動でした。

時間は10分。料金は1980円に消費税でした。

ストーリーを知れば安いもの。商品だけでなくその背景に価値がある。

10分間で1980円。高いとみるか安いとみるか。感じ方は人それぞれです。私はストーリーを知っているので、とても価値があり、決して高いとは思いませんでした。

「カリカチュア・ジャパン」のできた経緯や、創業者、Kadeさんのストーリー。スタッフがアーティストになるまでの努力などをすべて含めた一枚のイラストなのです。

10分の中には、濃縮した時間が入っていると思うと、うれしくなりました。私を書いてくれたアーティスト。後からホームページで確認すると、その方も、とても努力していた方でした。
お店にあこがれ、プロ養成コースを受けながら、大学の授業、バイト、部活を両立しながら課題に取り組んだそうです。
最終競技会を1位で通過したアーティストだったのです。
努力と訓練の成果が詰まった10分間なのです。

やはりプロに払うお金は気持ちがいいものです。
以前にも理容師のことを書きました。
理容師歴50年。その人に髪を切ってもらう、ぜいたくさ。

私もプロのトレーニングコーチです。
カリカチュアのアーティストが10分間でサラサラっと絵を描いているのではないように、トレーニングのコーチングもパッパッと教えられるものではないのです。

決して、
「軽く体幹トレでも教えて。メシおごるから」の世界ではないのです。

 

濃縮した時間がこの10分間を生み出していること。
その価値をわかってくれる人と仕事をしていきたいと、一枚の出来上がったカリカチュアの作品を見て思ったのでした。

 

【編集後記】

昨日は1日を通してカロリーオーバーでした。
今日は少し控えました。
秋だからなのでしょうが、食欲アップです。
メリハリをつけて体重維持をしていきます。

 

【昨日のOnce a day】一日一回新しいことを

・チーズオムレツカレー アルバ

おしらせ 2  
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