体力がない?2つの体力について考える

「最近、風邪ばかりひくのよ。体力つけなきゃ」と高齢者。「全然走れてないぞ。体力をもっとつけろ」と選手に言う指導者。この2つの「体力」は同じでしょうか。「体力」についてまとめてみました。

学生のフロントスクワット

 

人間の2つの能力

人間の持っている能力は「身体的能力」と「精神的能力」の2つに分けられます。この「身体的能力」のことを一般的に「体力」と呼んでいます。

「身体的」と「精神的」な能力は完全には分けることができませんが、
今回は「身体的能力」=「体力」に限定して取り上げます。

「体力」はさらに、
・「防衛体力」
・「行動体力」

に分けられます。

「風邪をひかないように体力をつける」は防衛体力

風邪が流行する時期に「風邪をひかないように体力をつける」とか
「体力が落ちたから風邪をひいた」などの会話が交わされます。
このとき、使っている「体力」のことを防衛体力と言います。

 

「防衛体力」とは「抵抗力」とも言われています。

・朝から晩まで働いても疲れない
・雨の中、一日中仕事をしていても風邪をひかない
・徹夜2日目だけど大丈夫
・数10年間、病気をしたことがない
・海外で現地の水を飲んでも下痢しない
・朝まで飲んでいても二日酔いしない

など、一般的に「あの人は体力がある」と言われるのがこれです。
教科書などには

・物理化学的ストレス(気温、気圧、化学物質)
・物理的ストレス(細菌、ウイルス、寄生虫)
・生理的ストレス(空気、不眠、疲労、時差)
・精神的ストレス(緊張、恐怖、不満、不安)

などと書いてあります。
さまざまなストレスに耐える能力のことです。

「まったく走れていない。もっと体力をつけろ」は「行動体力」

指導者が、よく走れていない選手や、後半スピードが落ちてきた選手に対して「もっと体力をつけなきゃ」と言う「体力」を「行動体力」と言います。

 

スポーツ活動において、運動を持続する能力や、力を発揮する能力を「行動体力」と言います。
「作業能力」や「活動能力」とも言われています。

この「行動体力」には、さまざまな体力要素が含まれています。

筋力

握力・背筋力・脚力など力の強さを示すものです。
筋力は筋肉の面積に比例します。筋肉の面積が広い人
(筋肉が大きい人)は筋力が強い人です。

よく言われる、
「筋肉ムキムキのボディビルダーは見せかけの筋肉だ」というのは
全くの嘘です。
筋力は強いですし、強くなければムキムキにはなれません。

パワー(瞬発力)

筋力は力の強さですが、パワーには力の強さにスピードが掛け算されます。
例えるならば、重い石を両手で持ち上げるのが筋力で、その石を一気に前に放り投げるのがパワーです。力に爆発力が加わるのがパワーです。

ジャンプする力はパワーです。

敏捷性

最近は「アジリティ」といった方が分かりやすいかもしれません。
素早く方向変換したり、相手にフェイントを使って華麗なステップで
かわしたりするなど、素早い動きのことを言います。

筋持久力

筋肉をどれだけ、長く動かせるかという能力です。
例えば、腕立て伏せや懸垂、腹筋、背筋などがあります。
何度も持続できる筋肉の能力です。

全身持久力

全身運動が長く続けられる能力です。マラソンなどの長距離走や、水泳の遠泳など長時間にわたって動き続けることのできる能力です。
有酸素性能力とも言います。
長距離だけではなく、100メートル走や息継ぎナシの水泳など
呼吸をしなくても動き続けることのできる能力もその一つです。
それを無酸素性能力といいます。

柔軟性

カラダの柔らかさの指標です。関節の動く範囲(可動域)の広さを言います。
ちなみにカラダの柔らかさは

・大人<こども
・男性<女性
・運動していない人<運動をしている人
・朝<夜
・寒い<暖かい

と言われています。

調整力

バランス力のことです。滑っても転ぶことなく、体勢を戻したり、
倒れながらシュートを打ったりするなど自分のカラダをコントロールする能力です。

以上、「行動体力」でした。

********************

「体力」には多くの要素があります。

運動選手がパフォーマンスを発揮するには
体力要素からなる「行動体力」をトレーニングし、「防衛体力」を整える
などの工夫が必要です。

「体力」について考える機会にしていただければ。

 

【編集後記】

あるセミナーに申し込みをしました。
いつもと違った分野のセミナーなので
楽しみ半分、不安半分です。

 

【昨日のOnce a day】一日一回新しいことを

・バナナモッチ
・親子丼イタリアン

 

おしらせ 2  
タイトルとURLをコピーしました