トレーニングはコップを大きくすることだと思っています。
コップを大きくする
大好きな飲み物をたくさん飲むには、コップを大きくするか、小さなコップで何回も飲むしかありません。
コップのサイズが大きければ、飲みたいものをたくさん入れることが出きます。どんどん入れて、たっぷり飲むことができるのです。
ファーストフードのお店でも、ドリンクにはS、M、Lの3つのサイズがあります。
Lサイズの量を飲みたいのに、Sサイズを3倍飲むのも効率が悪いですし、値段も高くなるでしょう。
もちろん、大人の世界では生ビールの大がイヤで、生中のビールを何回も頼む人もいます。さらに生中すらイヤで、瓶ビールをコップで飲む人もいますが。
それはおいといて、コップ、いわゆる器が大きければ、どんどん好きな飲みものを入れることができ、一度にたくさんの量を飲めることができるのです。
もちろん多くの量を入れるだけではありません。器が大きければ、たとえ量が少なくても、こぼれることを心配することなく、安心して入れておくことができます。
小さいコップだと、自分の希望する量を入れることはできないかもしれません。もしも入れる量が多すぎれば、こぼれることもあるでしょうし、入ったとしても動かしたら、すぐにこぼれてしまうとヒヤヒヤするでしょう。
そんなコップですが、私はコップを大きくすることがトレーニングだと思っています。
カラダを筋肉で大きくするイメージだけではありません。
運動の基礎である、
・筋力
・瞬発力(パワー)
・筋持久力
・全身持久力
・柔軟性
・協調性(調整力)
などの能力を大きくすることです。
これらは行動体力と言います。いわゆる「体力」だと思ってもらってもかまいません。
教科書には「狭い意味で体力とよばれる」と書いてあります。
体力をつける=コップを大きくする
ことです。
コップが大きくなければ、大好きな飲み物が、たっぷり飲めないのです。
体力がなければ、大好きな競技の練習が、たくさんできないのです。
このように変換されます。
競技が上手くなるためには、たくさん練習をしなくてはいけません。
一部の天才を除いて、10回より20回、20回よりも100回練習したほうが、上手くなる可能性が上がるでしょう。
体力があれば100回の練習もしっかりできて、まだ101回、110回とできるかもしれません。
もし体力がなければ、20回まではできたけれど、50回でバテてしまうかもしれません。
バテてしまえば、休憩をしてまた始めればいいのですが、限界を超えてしまい、
ケガをするかもしれません。
コップが小さくて、あふれ出してしまうことは、集中力が切れた(こなしている)練習や、
ケガかもしれません。
たっぷり練習をするには、いわゆる体力を大きくしなければいけないのです。
コップの質をあげる
コップの大きさは体力だと書いてきました。
でもコップを大きくするだけでは物足りません。
コップの質も上げたほうがいいのです。
「金沢カレー」と最近よく言われるようになりました。
私は13年間、金曜日がカレーの日でした。前職では
職員の食堂があり、毎日おいしい食事がありました。
給食です。金曜日はカレーの日でした。1週間に一度は
カレーですから、外ではあまりカレーを食べませんでした。
4月からは外食も多くなり、金沢カレーも食べるようになりました。
しかし、私は一つ苦手なことがあります。
それは、金沢のカレー屋さんで出てくるコップです。
それはどこのお店もプラスチックの大きなコップが出てくるのです。
私は子どもの頃からプラスチックのコップが苦手でした。
プラスチックのコップではあまりおいしく飲めないのです。
特に冷たい水はプラスチックのコップでは飲むのがイヤなのです。
……。
どうでもいい話ですが、コップは質も大切です。
いくらコップが大きくてもボロボロではいけません。
形が歪んでいて、テーブルに安定して置けなくても困ります。
キズがついていてもイヤですし、欠けていたり、割れていたり
中身が漏れるのも安心して飲めません。
体力も同じです。
もともと体力があっても、日々トレーニングをしていなければいけません。
得意な体力トレーニングしかしなくては困ります。
体力にばらつきがあり、極端に不得意なことがあるのも、
安心してハードな競技練習ができません。
大きなコップでも形が歪んで、素材が悪ければ、おいしく飲めないように、
体力があっても、体力のなかの一つが全くできなければ、
バランスが悪く、いい技術が習得できません。
コップの質も重要なのです。
私だけかもしれませんが、冷たい水はグラスで飲みたいですし、
ホットコーヒーはコーヒーカップで飲みたいです。
ホットコーヒーを大きなガラスのコップで飲むのも微妙ですし、
ワイングラスで飲むのも変です。
コップも、体力もすべて大きければいいと言っているのではありません。
あくまでも好きなものをたくさん飲む、たくさん練習するために必要と言っているのです。
例えばコーヒーをワイングラスで飲むのがおかしいように、
水泳選手がボディビルダーのカラダではいけないのです。
競技に必要な体力要素が一つだけ飛びぬけていてもいいのですが、
そのほかの体力要素のトレーニングを全くしないのがダメなのです。
水泳選手は水の中でおもりを持たないから、ウエイトトレーニングを全くしないというのがダメなのです。
コップの中のものを変える
大きく、質のよいコップには、いい飲みものをたくさん入れなくてはいけません。
古い飲みものではなく、新しい中身を常に入れなくてはいけないのです。
トレーニングはコップを大きくすること、に加え、質をあげることです。
しかし、肝心なのはその中身です。
おいしい上質の中身でなければいけません。
どんなにいいコップでも、ただの水道水では残念です。
昨日のお茶ではなくて、今日沸かしたお茶が飲みたいでしょう。
競技も一緒です。
常に技術練習をしなければいけませんし、日々研究しなければいけません。
昔、成功した戦い方や、古い戦術ばかりでは、いつまでも勝ち続けることはできません。
道具、戦術、技術を研究して日々アップデートしなければいけません。
そして当たり前ですが、野球選手なら野球の練習をしなければいけません。
ゴルファーはコースに出てナンボです。
いくら走り込みをしても、野球はうまくなりませんし、ゴルフもうまくなりません。
正直なところ、多少コップが小さくても、歪んでいても中身がよければいいのです。
ダイヤモンドが新聞紙で作った箱に入っていても価値は変わりませんから。
でもそんなことはしません。
ダイヤモンドに合った大きさで、上質な入れ物に入れるでしょう。
選手とコーチ・監督が協力して最高の中身をつくってください。
最高の技術を追求してください。
私たちは、トレーニングコーチは、
・バテないで技術練習ができるように
・やりたい動きの基礎となる体力づくりを
・ケガをしない丈夫なカラダを
提供できるようにサポートします。
コップを大きく、質のよいものに変えていきましょう。
【編集後記】
今週から、新しいチームのサポートが始まります。
まずは筋トレのフォームづくりから。
おもりがなくてもしっかりやれば、筋肉に効くと
分かってもらえればいいのですが。
【昨日のOnce a day】一日一回新しいことを
・きた樽(府中)