一人練習は、人に教えてもらえないというデメリットがあります。しかし、自分のペースでできるといったメリットも。一人練習のコツを含め、一人練習についてまとめてみました。
誰もいない練習場にて
一人練習のデメリット
一人でやる練習はさみしいものです。個人スポーツならいざ知らず、相手がいる対戦スポーツ競技やチームスポーツ競技などは練習内容も限られてきます。それが最大のデメリットではないでしょうか。
相手がいない
例えば、陸上競技や、水泳など一人で戦うスポーツは、競技の特性上、一人練習でも、できることがたくさんあります。
問題なのは、テニスや卓球など1対1で戦うスポーツ。
そしてダブルスを含む、複数で戦うチームスポーツなどは、一人では練習内容が限られてきます。
「対戦できない」、「チームプレーの練習ができない」のがデメリットでしょう。
教えてもらえない・アドバイスを受けられない
一人練習は、コーチや監督がいないので、指導を仰ぐことができません。そして、おこなったプレーについて即アドバイスがもらえないこともデメリットです。
即フィードバックがないと言われています。
孤独・盛り上がらない
練習を、いつも仲間とやっている人は、孤独な練習は苦手です。
同じキツイことをやっても仲間がいれば、気持ちが盛り上がり頑張れますが、一人だと追い込めないこともあります。
掛け声がないのもつらいものです。
手間がかかる
例えばウエイトリフティング、仲間がいれば重りの交換を協力してできます。一人練習では、重いおもりを一人で交換しなければいけません。
また球技スポーツはボールを取りに行ったり、集めたりしなくてはいけません。
以前TVでハンマー投げの鉄人・室伏広治さんが16ポンド(約7㎏)のハンマーを70メートル近く投げ、それを拾いに行って、また戻り、投げるというのを繰り返しているのを見ました。
(もはや感動でしたが)
労力と手間と、時間がかかっていました。
一人練習のメリット
一人練習のデメリットはありますが、メリットもたくさんあるのではないでしょうか。
基本練習ができる
一人ですから、連携プレーや、作戦プレーはできません。
やれないという制約があるため、必然と基本練習になります。
できることが限られているからこそ、基本を確認することができます。
集中できる
一人ですから、練習相手や、チームのペースに合わせる必要はありません。自分にフォーカスして練習ができます。
その反面、ケータイや音楽などが気になって、集中できない場合もあるかもしれません。性格もありますし。
メリットかデメリットかは人によるかもしれません。
反復練習ができる
自分主体の練習ですから、気になったことは何回でもやることができます。反復練習ができると言ってもいいでしょう。
先に挙げた室伏さんも、おそらく何かの課題に対して反復練習をしていたのでしょう。
誰に気を使うことなくできるのがメリットです。
自分のリズムで、自分のペースでできる
反復練習ができると同様、気になった点を、何回もチェックできます。自分のリズムで反復できます。連続してやったり、休憩したりするなど自分のペースでできるのもいいです。
自分に向き合える
「集中できる」ところに似ていますが、考えながらできることがメリットでしょう。新たな発想や、アイデア、などか出てくる可能性があります。
俗に言う「ビビッときた」とか「閃いた」というのもこれです。
ウォーキングやランニング、スイミング中などに、考えがまとまったことは誰でも経験はあるのではないでしょうか。
以上メリットをあげました。
一人練習のメリットは多いですが、人や性格によってデメリットになる危うさは否定できません。
「キョロキョロ」したり、「ソワソワ」したりする人はメリットが少し薄まります。
一人練習のコツ
デメリットやメリットを理解するのがコツですが、もう1つ、大きなコツがあると思っています。
それは「次回、コーチや監督に見てもらう(指導を受ける)時のための準備をしておくこと」です。
少しわかりにくいので、私のスキーの一人練習を例にあげます。
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スキーのインストラクターの試験はスキーの技術はもちろんのこと、デモンストレーション能力が問われます。
試験の課題に対して、いかに正しく理解して表現(滑ることが)できるかが課題になります。
わかりやすく言えば、かっこよく滑っても自己流ではダメなのです。
自動車教習のテストに似ています。
かっこよく運転しても、教科書通りに走らなければいけません。黄色信号で突っ切れば不合格です。
また難しいことに雪の状態は毎回違います。
同じ斜面で練習しても、二回と同じ斜面の状態はないのです。
それを踏まえて、一人練習をします。
師匠と私は、お互いにプロではありませんから、毎回教えてもらうわけにはいけません。
必然的に一人練習が多くなります。
その一人練習の中で一つコツをつかんだ気がします。
スキーも少し理解してくると同じ斜面で、Aの滑り、Bの滑り、Cの滑りなど、いろいろできるようになります。
一人練習でA、B、Cの滑りを徹底的に練習するのです。
私は能力がありませんでしたから、AとBの滑り方しか、一人練習の期間ではマスターできませんでしたが。
AとBを演じられるようになるまで練習しました。
そして師匠に指導を仰ぐとき、「Aの滑りします」「Bの滑りします」と言って2つを見せるのです。
師匠は滑りをみて「Bのほうが少しいいかな」とアドバイスをくれます。
するとAの滑りはマスター(演じることができる)しているのでAの滑りはもうしません。
Aという選択肢が1つ減るのです。
Bの滑りも完璧ではないので、次はB1の滑り、B2の滑りを、一人練習でマスターしていくのです。
そのように合格できる滑りを探していくのです。
言い方を変えると、やってはいけない滑りをやめるのです。
それが容易にできるのは、Aの滑りができるように練習しているからです。
「Aの滑りという悪いクセがつく」と反論されますがクセはつきません。
じゃんけんのチョキを出すな(Aの滑りをするな)と言われれば、
グーとパーを交互に出すことができますが、チョキはでないですよね。
AをマスターするというのはAを出さないこともできるのです。
時間はかかります。
しかし私はこれが一番結果が出ました。
いろいろな滑りを試すと、どれがどれだかわからなくなるのです。
2つの滑りを演じられるほど練習し、マスターするがコツです。
そのおかげで、スノーボードのインストラクターも、NSCAジャパンの認定検定員(日本に60名程度)にも合格することができました。
⇒私の師匠はみんな変わった人だった。でもみんな教えるのが上手かった。
⇒トレーニングコーチをしたいと思ったら、まずは資格にチャレンジしてみましょう
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これが「次回、コーチや監督に指導を仰ぐ時まで準備しておくこと」なのです。
この一人練習のコツを試してみると、一人練習のメリットがさらに大きくなるのではないでしょうか。
私は、今でもやっていますし、指導している選手や学生に言っています。
いつも見てくれて、指導してもらえる環境があればいいのでしょうが、一部のプロでしかそんな環境はないでしょう。
大半の選手や、学生は、個人練習をしているはずです。
人より少し飛び出すために、一人練習のデメリットとメリットを理解して、プラスアルファの「コツ」も使ってやっていただければと思います。
一人練習を効果あるものにしていきましょう。
【編集後記】
今日は学院大で一人練習。2時間誰もいない中でトレーニングをしました。
メリットとコツを十分に意識しました。
次回、コーチと学生に見てもらうのが楽しみです。
ダメな時のほうが多いのですが。。
【昨日のOnce a day】1日1回新しいことを
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